JLPT 基礎語彙
II.変化を表す動詞 ~が~まる(自動詞) / ~を~める(他動詞)
- 温まる/温める → 例:お風呂に入って、体を温める。(卵、心、料理)
- 暖まる/暖める → 例:部屋が広いので、暖まるのに時間がかかる。(部屋、空気)
- 早まる/早める → 例:出発時間を少し早めましょう。(時期、予定、回復)
- 速まる/速める
→ 例:雨が降り出す前に家に帰ろうと、彼は足を速めた。(スピード、速度、テンポ)
- 強まる/強める
→ 例:父の話を聞いて、留学したいという思いが強まった。(疑い、関係、批判)
- 弱まる/弱める
→ 例:雨が弱まってきたから、そろそろ帰ろう。(効果、働き、勢い、力)
- 薄まる/薄める → 例:氷が溶けて、お酒が薄まってしまった。(スープ、洗剤、色)
- 固まる/固める → 例:砂糖が固まってしまって、使えない。(ゼリー、方針、気持ち)
- 丸まる/丸める → 例:手紙を丸めて、ごみ箱に捨てた。(背中、体、ポスター)
- 静まる/静める → 例:警察が来て、やっと騒ぎが静まった。(会場、心、気持ち、怒り)
- 深まる/深める
→ 例:A国との関係は、今後さらに深まるだろう。(理解、知識、議論、交流)
- 高まる/高める → 例:A選手の活躍に期待が高まる。(関心、声、必要性、集中力)
- 広まる/広める → 例:日本文化を世界に広めたい。(うわさ、評判、宗教、技術、理解)
- 広がる → 例:目の前にすばらしい風景が広がっている。(世界、差、範囲、青空、景色)
- 広げる
→ 例:電車の中では、新聞を広げないでほしい。(世界、差、範囲、両手、地図、弁当)
III.いろいろな形容詞からつくれる名詞 ~さ
- 寂しさ → 例:彼のいない寂しさを紛らわせるため、毎晩のようにお酒を飲んだ。
- ありがたさ → 例:平和のありがたさや戦争の恐ろしさを、子供たちに伝えていきたい。
- 正確さ → 例:スーパーのレジの仕事は、スピードだけでなく、正確さも求められる。
IV.限られた形容詞だけからつくれる名詞 ~み
- 楽しみ → 例:毎晩家でお酒を飲むことだけが、私の楽しみだ。
- 悲しみ → 例:人生には喜びも悲しみもある。
- 苦しみ → 例:息子を失ったこの苦しみは、誰にもわかってもらえないだろう。
- 面白み → 例:彼はいい人だが、真面目すぎて面白みがない。
- 親しみ → 例:彼女は大女優だが、彼女の優しい話し方に親しみを感じるファンも多い。
- 温かみ → 例:このホテルのサービスには、家庭的な温かみが感じられる。
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- 痛み → 例:最近、年のせいか、歩くときにひざに痛みを感じるようになった。
- かゆみ → 例:昨日から背中がかゆかったのだが、薬を付けたらかゆみが治まった。
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- うまみ → 例:この料理は、長時間煮込むことによって、うまみが増す。
- 甘み → 例:玉ねぎは熱すると甘みが出る。
- 辛み → 例:このソースは、唐辛子の辛みが効いていて、おいしい。
- 苦み → 例:このコーヒーは、苦みが強すぎて、私には合わない。
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- 厚み → 例:パソコンで名詞を作るので、厚みのある紙を買わないと。
- 丸み → 例:この靴は、丸みがあって形がかわいいし、履きやすい。
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- 重み → 例:やはり、実際に経験した人の言葉には重みがある。
- 深み → 例:高級なワインは味に深みがある。
- 強み → 例:技術力が日本の最大の強みなので、今後も力を入れていかなければならない。
- 弱み → 例:私は人に弱みを見せたくないから、悩みがあっても誰にも相談しない。
意味が似ている言葉―副詞.形容詞
I.副詞的表現
1) 仕事を探すために(あらゆる.すべての)就職情報誌をチェックしている。
2) 自分の気持ちを正直に(すべて.全部)話した。
3) 結論が出るまで(相当.かなり.随分)時間が掛かりそうだ。
4) 九月の下旬になり、(幾分.若干.少し)涼しくなってきた。
5) 台風が近づいてきているので、明日は雨が(一段と.一層.更に.もっと)強くなるだろう。
6) 友人との海外旅行を(うんと.大いに.とても)楽しんだ。
7) 私の話を(ちっとも.まったく.全然)聞いてくれない。
8) 親友と言えるのは、(せいぜい.多くても)五人くらいだ。
9) 雨の日以外は、(ほぼ.大体)毎日走っている。
10) 予定の時刻より、(やや.少し)遅れて、到着した。
11) 彼はどんなことがあっても(常に.いつも)冷静だ。
12) (いずれ.そのうち)社会に出れば、わかるだろう。
13) めったに怒らないが、(いったん.一度)怒り出すと、彼は一週間くらい機嫌が悪い。
14) (いよいよ.とうとう)日本へ出発する日になった。
15) (間もなく.そろそろ.もうすぐ)出発の時間です。
16) (既に.とっくに.もう)レポートは提出した。
17) オリンピックが近づくと、(にわかに.急に.突然)スポーツに関心を持つ人が増える。
18) (再三.何度も)注意したが、まったく誤りを直そうとしない。
- (たびたび.しばしば.よく.何度も)先生に相談に乗ってもらった。
- (しょっちゅう.頻繁に.年中)海外旅行に行っている。
- コンピューターは(たまに.まれに.ときどき)動かなくなることがある。
- 彼は(単なる.ただの)友人ではなく、大切な親友だ。
- 行くかどうかわからないが」、(とりあえず.一応)パンフレットだけもらった。
- ちょっとぶつかっただけなのに、(大げさに.オーバーに)痛がっている。
- (安易に.簡単に)何でも引き受けると、大変なことになりますよ。
- 友人の秘密を(うっかり.思わず.つい)話してしまった。
- ミーティングで(お互いに.相互に)意見を交換した。
- 七月になって、新型のテレビが(相次いで.続々と.次々と)発売されている。
- (あれこれ.いろいろと)見たが、結局、最初にいいと思ったものを買った。
- 世界中を(ほうぼう.あちこち)旅行して経験したことを、小説に書いた。
- 計画は(順調に.スムーズに.問題なく.予定通りに)進んでいます。
- (強引に.無理やり.無理に)お願いして、タスクを引き受けてもらった。
- 彼はいつも遅刻する。(案の定.やはり.予想通り)、今日も遅刻してきた。
- あの先輩は親切なので、(恐らく.多分)相談に乗ってくれるだろう。
- (およそ.約)百名の出席者がいた。
II.形容詞的表現
- 前に貸したお金をまだ返していないのに、また貸してほしいと言ってくるなんて、なんて(厚かましい.ずうずうしい)んだ。
- 彼はとても(内気.シャイ.恥ずかしがり)で、人の前で話すのは苦手らしい。
- 子供たちの(生き生きした.活発な.元気な)様子を見ることができて、うれしい。
- 隣の部屋の人が(騒がしくて.やかましくて.うるさくて)、眠れない。
- あの親子は、本当に(そっくりだ.似ている)。
- この作家の表現力は(見事だ.すばらしい)。
- 子供のころのことなので、記憶が(あいまいだ.はっきりしない)。
- 子供のようにわがままを言うのは(みっともない.恥ずかしい)。
- (厄介な.面倒な)問題が起きないように、よく考える必要がある。
- (思いがけない.意外な)ところで、高校時代の友達に会った。
- こんなチャンスが来ることは、(まれだ.珍しい.めったにない.ほとんどない)。
- まだ時間はあるので、少し休んでも(差し支えない.問題ない.かまわない)だろう。
- すぐに手術をしなければ、命が(危うい.危険な.危ない)状態だった。
- そういう事情であれば、(やむをえない.しょうがない。しかたがない)ですね。
- そんなに(わがままな.勝手な)ことを言ったら、みんなが困ってしまいますよ。
意味が似ている言葉―名詞.動詞
I.名詞
1) みんなで話していると、いい(アイデア.考え)が出てくる。
2) 留守番電話に(伝言.メッセージ)を残す。
3) (真実.事実.本当のこと)を明らかにする必要がある。
4) そのうわさは(でたらめだ.うそだ.本当ではない)と思う。
5) (チャンス.機会)があれば、海外で働いてみたい。
6) これまでの資金の(用途.使い道)について報告する。
7) (各々.それぞれ)の考えを自由に話す機会を作った。
8) (打ち合わせ.ミーティング.会議)は午後二時から始めます。
9) お客様からの(苦情.クレーム.文句)が新しい商品のアイデアになることがある。
10) 私の両親は(礼儀.マナー)に厳しかった。
11) プロの選手は(訓練.トレーニング.練習)をし続ける必要がある。
12) 来週の(スケジュール.予定)を確認する。
13) 新しい技術の開発が(契機.きっかけ)となり、会社が発展していった。
14) 経済は自分の専門の(分野.ジャンル)ではないので、よくわからない。
15) (娯楽.レジャー)にどれくらいのお金と時間を使っていますか。
16) このホテルは窓から見える(眺め.風景.景色)がとてもすばらしい。
17) 化粧品の(試作品.サンプル.見本)をもらった。
18) 両親の(援助.サポート.助け)がなければ、留学できなかった。
II.動詞
19) 昨年の優勝チームを(破った.負かした)。
20) 面接で(あがって.緊張して)しまい、質問にきちんと答えられなかった。
21) 失礼な態度を取られて、(頭に来た.腹が立った.怒った)。
22) 少し(冷静になって.頭を冷やして.落ち着いて)から話し合った方がいいだろう。
23) どうしてそんなに(落ち込んで.へこんで.がっかりして)いるんですか。
24) 自分が支持する政治家の不正のニュースを聞き、(失望した.がっかりした)。
25) 学生時代にしっかり勉強しなかったことを(悔やんで.後悔して)いる。
26) 世界には(驚く.びっくりする)ことがたくさんある。
27) こちらのミスを(お詫びする.謝る)。
28) お互いに自分の考えを(主張した.言い張った)ので、結論が出なかった。
29) 彼は「そんなはずはない」と言って、私の考えを(打ち消した.否定した)。
30) あなたの熱意には(参りました.負けました)。仕事を引き受けましょう。
- 畑でとれたばかりのニンジンを、新聞紙で(くるんで.包んで)持って帰った。
- 重い荷物を(担いで.背負って)、山に登る。
- 財布を忘れてきたことに気付き、家に(引き返した.戻った)。
- (移転した.転居した.引っ越しした)所の住所をお知らせします。
- 朝からずっと立ちっぱなしで(くたびれた.疲れた)。
- 自宅に帰って家族といるときが、一番(くつろぐ.リラックスする)時間だ。
- ピアノの練習を(怠けて.サボって)いたら、上手に弾けなくなってしまった。
- 一時、命が危なかったが、少しずつ(回復して.持ち直して.よくなって)きた。
- 間違いに気づいたので、資料を提出する前に(訂正した.修正した.直した)。
- 売り上げによって生産量を(調整する.コントロールする)。
- 将来、社会に(貢献する.役に立つ)活動をしたいと考えている。
- 現在、携帯電話の利用は子供にまで(普及している.広まっている)。
- 調査結果は、私の予測と(一致していた.ぴったりだった.同じだった)。
- 新聞各紙は選挙結果を一斉に(報じた.伝えた)。
形が似ている言葉
- あきれる → 例:彼女の成績のひどさには、あきれてしまった。(無責任さ、発言、友人に~)
意味:程度が低いものや、度が過ぎるものなどを見聞きして、うんざりしたり、困惑したり、馬鹿馬鹿しく思ったりすること。唖然とする。仰天する。
- あきる → 例:毎日、カレーばかりで、あきてしまった。(勉強、仕事、長い話に~)
意味:多すぎたり、同じことが長く続いたりして、嫌になる。
- あきらめる → 例:彼は病気のために、大学受験をあきらめた。(進学、夢、結婚を~)
意味:もう希望や見込みがないと思って、やめる。断念する。
- あこがれる → 例:彼女はずっと日本の生活にあこがれていた。(スター、結婚、働く姿に~)
意味:理想とする物事や人物に強く心が引かれる。
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- 気軽な → 例:気軽にその仕事を引き受けたが、大変だった。(雰囲気、店、気持ち)
意味:①あまり慎重に考えないで、簡単に行動すること。こわがったり、面倒がったりしないで、行動に出る様子。②堅苦しくなくて、遠慮や気づかいをする必要がない。
- 気楽な → 例:テストの前に行くなんて、気楽だね。(生活、身分、毎日)
意味:心配事や苦労がなく、のんびりとしていられること。②物事にこだわらないで、呑気な様子。
- 気まぐれな → 例:田中さんの気まぐれには付き合いきれない。(性格、行動、天気)
意味:①その場の気分や思いつきで行動を変えたりする性質。予測のつきにくい他者を翻弄する性質。②物事の変わりやすいこと。
- 気まずい → 例:会話が続かず、気まずい雰囲気になった。(雰囲気、空気、関係)
意味:相手と心が通い合わなくて、なんだか落ち着かない。
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- やかましい → 例:工事の音がやかましく、話ができなかった。(鳴き声.女、世論)
意味:声や物音などが騒がしい。うるさく、不快である。
- あつかましい → 例:またお金を借りに来るとは、あつかましい。(態度、要求、やつ)
意味:行動や態度に慎みがない。図々しく、遠慮がない。
- あわただしい → 例:今日はお客が多く、あわただしい一日だった。(生活、日程、食事)
意味:次から次へと用事や変化があって落ち着かない。
- たくましい → 例:彼はたくましい体をしていた。(若者、背中、姿)
意味:体が頑丈で、いかにも強そうに見える。意気や勢いに満ち溢れている。
- たのもしい → 例:彼が試合に出てくれるとはたのもしい限りだ。(先輩.見方.存在)
意味:信頼できる。期待できて、楽しみである。
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- 今さら → 例:今さら会議に出席できないと言われても、困る。
意味:もっと早ければともかく、今となっては遅すぎる。
- 今にも → 例:その木は風で今にも倒れそうだった。
意味:すぐ、今まさに何かが起こりそうな様子。
- 今や → 例:普通の大学生だった彼も、今や有名作家だ。
意味:昔と違って、今では。
- 未だに → 例:大人になっても、未だに漫画を読んでいる。
意味:今になってもまだ。今もなお。
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- 何だか → 例1:窓を開けてるのに、何だか部屋が暑いね。例2: 何だか、お腹が空いた。
意味:明確な理由はないが、漠然と。「何だか」の後ろには、無意志的な感情表現が続きます。
- 何とか → 例:何とか今年中に就職先を見つけたい。
意味:①あれこれ工夫や努力をする様子。
②完全.十分とは言えないが、条件.要求などに一応叶う様子。
- 何となく → 例1:なんとなくこの店の味が好きなんだなあ。例2: 何となく、テレビを見る。
意味:特に目的や動機などはなく。それといった理由もなく。
「何となく」の後ろには、意志的な感情表現が来ます。
- 何とも(~ない) → 例:彼のことなんか、何とも思っていない。
意味:(後ろに否定表現を伴った場合)、特別の感情を催さない様子を表します。
- 何しろ → 例:何しろ今年の夏は暑いから、体に気を付けて。
意味:いろいろな事情があるにしても、この点だけは強く主張したいという気持ちを表します。何にしても。とにかく。
理由や原因を表すときに使われる傾向があるので、「から」「ので」などが後ろに付くことが多いです。