JLPT 基礎語彙
意味がたくさんある言葉-形容詞.名詞
- 荒い 粗い
- 彼は走ってきたのか、呼吸が荒かった。(息、波が~)
意味:動きが大きく、激しい。
- 父は運転が荒いので、父が運転する車には乗りたくない。(使い方、人遣い、言葉遣いが~)
意味:乱暴で、思いやりに欠ける。
- 野菜を粗く刻んで、フライパンでいためる。(粒、網の目が~)
意味:細かくない。
- 安いシャツは作りが粗いから、すぐに破れてしまう。(仕事、処理が~)
意味:丁寧でない。
- 恐ろしい
- この病気は、絶対に助からない恐ろしい病気だ。(~事件、顔、話)
意味:危険を感じて、不安である。こわい。
- 彼女は恐ろしく頭がいいから、何をやっても成功するだろう。
意味:驚くほど優れている。
- 穏やか
- 波のない穏やかな海を眺めながら、海岸を歩く。(~な天気、笑顔、表情)
意味:静かで変化もなく、のどかな様子
- 彼は穏やかな人で、彼が怒ったところを見たことがない。(~な人、性格)
意味:落ち着いて、物静かな様子。温和な様子。
- 勝手
- 彼女はほかの人の迷惑も考えず、勝手なことばかり言っている。
意味:他人のことは構わないで、自分だけに都合がいいように振る舞うこと
- この部屋は、許可のない人が勝手に入ってはいけない。
意味:「勝手に」は「自分の都合や判断で、許可や相談などを経ずに、勝手に物事を進行させる様子」。
- 図書館を利用するのは初めてなので、勝手がわからなくて困った。
意味:「勝手がわからない」は「方法や手段がわからず、思うようにできない」。
- くどい
- あの先生は何度も同じことを言って、話がくどい。(話、説明が~)
意味:同じようなことを繰り返して言ったり、長々と続けたりして、うんざりさせる。
- このソースはバターが大量に使われていて、少しくどい。(味、色が~)
意味:味付けなどがしつこい(=濃厚過ぎて、後に残る感じ)。
- 険しい
- あの山は険しくて、子供には登れない。(~山道、坂)
意味:傾斜が急で、登るのに困難である様子。
- コーチは険しい表情で試合を見ていた。(~顔、顔つき、目つき)
意味:怒りや緊張などのため、言葉や表情などが刺々しい様子。
- 純粋
- 純粋な日本犬が欲しい。(~な民族。京都弁、温泉、物質)
意味:雑多なものが混じっていないこと。混じり気のないこと。
- 子どものころの純粋な気持ちを思い出す。(~な人、愛、心)
意味:邪念や私欲のないこと。気持ちに打算や駆け引きのないこと。また、その様子。
- 粗末
- 彼は粗末な服を着ているが、実はお金持ちだ。(~な家、食事、家具)
意味:作りが雑なこと。品質が劣っていること。
- 最近は、食べ物を粗末にする人が多い。(~に扱う)
意味:大切に扱わない。扱いが疎かであること。
- やかましい
- 工事の音がやかましくて、集中できない。(声、音楽、子供が~)
意味:声や物音などが騒がしい。うるさく、不快である。
- 彼女がたばこをやめろとやかましいから、禁煙することにした。(規則が~)
意味:厳しい/小言が多くて、煩わしい。
- 部長は時間にやかましい人だから、遅刻は許されない。(マナー、時間に~)
意味:厳しい。
- 鋭い
- 鋭いナイフで、胸を刺された。(~歯、つめ、切れ味)
意味:物の先が細くて、尖っている。切れ味が良い。
- 犬は人間より、鼻や耳の感覚が鋭い。(勘、感覚が~)
意味:感覚が鋭敏である。反応が速い。判断力が優れている。
- その虫に刺された瞬間、足に鋭い痛みを感じた。(~攻撃、目つき)
意味:人の感覚を刺激する力が強い。
「鋭い攻撃」とは「非常に素早い動きで、相手の防御を突き破るような攻撃」。
「鋭い目つき」とは、「真剣で厳しい眼差し」。
- いつも鋭い質問をしてくる学生がいる。(~観察、分析、批判)
意味:「鋭い質問」とは「相手に頭を使わせる(=相手に思案させる)質問」。
「鋭い分析」とは「物事の本質を捉えた、的確な優れた分析」。
- 鈍い
- ナイフは古くなると、切れ味が鈍くなってしまう。
意味:刃物の切れ味が悪い。
- 起きたばかりのときは、頭の回転が鈍い。(感覚、勘、運動神経が~)
意味:感覚が鋭敏でない。反応が遅い。
「頭の回転が鈍い」とは、「物事を理解する能力が乏しい」。
- 二年前から胃のあたりに鈍い痛みを感じるようになった。(~光、音)
意味:人の感覚を刺激する力が弱い。
- 今日の田中選手は、疲れているせいか、動きが鈍い。(反応、動作が~)
意味:動きがのろい。動作が機敏でない。
- 裏
- 本の表紙の裏に名前を書く。
意味:裏面。表面と反対側の面。
- お客さんが来ているようだから、裏から入ろう。
意味:建物の後ろ側にある出入口。裏口。
- あの政治家は、裏で不正なことをしている。
意味:好ましくないことが、表面に現れずに行われるところ。
- 影 陰
- 誰もいないはずの部屋の窓に、人の影が見えた。
意味:何かに光が当たってできる黒い像。
- 犬は鏡に映った自分の影を見て驚いた。
意味:何かに映った人の姿。
- 木の陰に座って、涼もう。
意味:物に遮られて、光線の当たらないところ。
- ドアの陰に誰かいるみたいだ。
意味:物に遮られて、人目につかないところ
- 母はいつも私を陰で支えてくれた。
意味:その人のいないところ。
⑤の例文は、「母はいつも私を、私のいないところで/私が気付かないところで支えてくれた」になります。
- 型
- ケーキの生地を型に入れて焼く。(~を抜く、~を取る、~にはめる)
意味:ある物の形を作り出すための鋳型、型紙などの類。
「型を抜く」とは、「枠や型紙などを使って、形を抜き取る」。
「型にはめる」とは、「個性や独創性を認めず、一般的に広く受け入れられているルールや企画を強制して、一般化させる」。
- テレビを新しい型のものに買い換えた。
意味:バージョン
- 年賀状は枚数が多いので、型通りのあいさつだけになってしまうことが多い。
意味:決まりきったやり方。慣例。伝統的なやり方。
- 形
- リンゴの形をしたクッキーを食べる。
意味:見たり触れたりして捉えることができる、物の姿.物体の外形。
- 結婚式の形も時代とともに変わる。
意味:形式。
- 波
- 今日は波が高いから、海に入らないほうがいい。
意味:風邪や振動によって起こる、海や川の水面の高低運動。
- 高度経済成長の波に乗って、A社も大きく発展した。(時代、人の~)
意味:「波に乗る」は「時代の風潮.時勢に合って、栄える」。
「人の波」は「大勢の人が、波のように押し合って動くこと。」
- 景気には波があるから、いつかは回復する。(成績、需要、気分に~がある)
意味:「波がある」は「場合によって、結果に良し悪しの差がある様子。
「気分に波がある」は「機嫌がよい時と、悪い時の差が激しい様子。」
- 幅
- 道の幅が狭くて、車が通れない。
意味:物の横の端から端までの距離。
- 大学に行ったほうが、将来の選択の幅が広がる。(活動、興味、仕事の~)
意味:「選択の幅」は、「選択が可能な物事やその範囲のこと」。
- 安いのから高いのまで、値段に幅がある。(点数、年齢、学力、気温の~)
意味:声や価格などの高低や隔たり。
- 文句
- 注文した料理が来ないので、店員に文句を言った。(~を付ける、並べる)
意味:相手に対する言い分や苦情。不服。
「文句を付ける」は「苦情を言い立てる」。
「文句を並べる」は「苦情を次から次へと言い立てる」。
- 広告の宣伝文句にだまされて、失敗した。(決まり~、歌の~)
意味:「宣伝文句」は、「企業のイメージや、企業が作り出す商品.サービスのための広告で、消費者の心を強く捉える効果を狙った印象的な文章の中の語句」。
「決まり文句」は「内容がだいたい決まっているフレーズ」。「歌の文句」は「歌詞」。
形容詞からつくる動詞と名詞
I.感情.感覚を表す動詞 ~しむ/~む
1) 悲しむ → 例:君のこの成績を見たら、ご両親もきっと悲しむだろう。
2) 苦しむ → 例:世界には食べ物がなくて、苦しんでいる人が大勢いる。
3)親しむ → 例:子供たちが読書に親しむ機会を積極的に作っていきたい。
- 怪しむ → 例:友達の宿題を写すときは、先生に怪しまれないように、わざと少し間違える。
- 惜しむ → 例①:成功するためには、努力を惜しまないつもりだ。(手間、金、協力を~)
例②:今月末で閉校する川中中学校では、最後の卒業生九人が別れを惜しんだ。
- 痛む → 例①:冬になると、昔の傷がときどき痛む。
例②:学校でいじめられ、彼はどんなにつらかっただろうと思うと、胸が痛む。(心が~)
- 憎む → 例:彼女は自分を捨てた母親を、とても憎んでいる。
- うらやむ → 例:大学に落ちた私は、合格して進学する友達をうらやんでいた。
- 悔やむ → 例:不注意で事故を起こしてしまったことを、彼は今でも悔やんでいる。
- 涼む → 例:暑いから、ちょっと図書館に涼みに行こうか。