JLPT 基礎語彙
意味がたくさんある言葉-動詞
- 訴える
- 患者の家族は医療ミスで病院を訴えた。(会社、学校、相手を~)
→ 意味:物事の正当性や真偽の判断を求めて、裁判所などの機関に申し立てる
- A選手は試合後、腰の痛みを訴えた。(症状、不安、不満を~)
→ 意味:対策や同情などを求めるために、不平や苦痛.恨みなどを人に告げる
- 市長は演説で市民に平和の大切さを訴えた。(重要性、必要性を~)
→ 意味:相手の感情や理性に対して、自分の気持ちを伝えること。あるいは相手の感性を刺激しようとすること。
- 押さえる
- ドアが閉まらないように、押さえておいてください。(帽子、髪を~)
→ 意味:ものが動かないように、押し付けて力を加える
- 女の人が苦しそうな顔で、おなかを押さえている。(口、耳、旨、傷口を~)
→ 意味:何かの出入り口などに、手などを押し当てて覆う
- 面接の前に押さえておきたい五つのポイント。(要点を~)
→ 意味:大切な部分を把握する
- 抑える
- ダイエット用にカロリーを抑えた食品。(甘さ、費用、上昇、増加を~)
→ 意味:控え目にする
- 怒鳴りたい気持ちを必死で抑えた。(感情、怒りを~)
→ 意味:感情を抑制する
- 傾く
- 乗客が一か所に集まると、船が傾いてしまう。(建物、床、柱、体が~)
→ 意味:水平または垂直であったものが、斜めになる
- 五時を過ぎて、太陽が西に傾き始めた。(月、日が~)
→ 意味:太陽や月が高い位置から低い位置になる
- 婚約者がいるのに、ほかの人に心が傾いている。(気持ち、考えが~)
→ 意味:関心や興味が徐々に向く
- 不景気で売り上げが落ち、会社が傾き始めた。(商売、経営が~)
→ 意味:危うくなる/不安定になる
- 刻む
- ネギを刻んでスープに入れる。(ニンニク、ハム、野菜を~)
→ 意味:刃物でものを細かく切る。
- お墓に亡くなった人の名前が刻まれている。(指輪、木、石、ガラスに~)
→ 意味:何かを彫刻する。
- 長い歴史を刻んだ建物がそのまま残っている。(歴史、伝統、時を~)
→ 意味:「歴史を刻む」は、「長い時間が経過すること」という意味。
「時を刻む」とは、「時刻が進みゆくことを強調」した表現。
- 彼の言葉が今も胸に深く刻まれている。(胸、心、記憶に~)
→ 意味:心の中にしっかり留める。しっかりと記憶する。
- 崩す
- 形を崩さないようにケーキを切った。(山、壁、豆腐を~)
→ 意味:まとまった形のものを壊して、その形を変えたり、原型をなくしたりする。
- 列を崩さず、まっすぐに並ぶ(バランス、調子、リズム、姿勢を~)
→ 意味:整った状態を乱す。
- 千円札を崩して、全部百円玉にする。(お金を~)
→ 意味:紙幣を同額の小銭にかえる。
- 狂う
- 仕事が忙しすぎて、ときどき気が狂いそうになる。(頭が~)
→ 意味:精神が乱れ、正常な考え方ができなくなる。
- この時計は狂っているから、直してもらおう。(調子、リズム、感覚が~)
→ 意味:機械の働きや状態が正常でなくなる。
- 急に友達が来たせいで、予定が狂ってしまった。(計画、人生、計算が~)
→ 意味:狙い.見込みなどが外れる。予想・計画通りに行かない。
- 削る
- 鉛筆をナイフで削る。(石、山、木、氷、骨、歯を~)
→ 意味:刃物で物の表面を薄く切り取る。削ぐ。
- 睡眠時間を削って勉強する。(予算、費用、時間を~)
→ 意味:減らす。短くする。
- 逆らう
- 流れに逆らって、川上に泳ぐ。(風、重力、時代、時代の波、流行に~)
→ 意味:物事の自然の勢いに従わないで、その逆の方向に進もうとする。
- 上司の命令に逆らったら、首になる。(指示、方針、神、親、先生に~)
→ 意味:目上の人の意見などに従わないで、反抗する。
- 縛る
- ごみは袋に入れ、袋の口をしっかり縛って出してください。(手足、髪、ひもを~)
→ 意味:縄やひもなどを巻き付け、一つにまとめて結ぶ。
- 【縛られる】団体旅行は時間に縛られてしまう。(規則、組織、常識に~)
→ 意味:自由にできないように制限する。束縛する。
- 搾る/絞る
- レモンを搾ってジュースを作る。(果実、ジュース、牛乳を~)
→ 意味:強く押して締めつけたり、握ったりして、そのものに含まれている水分や液を取り出す。
- タオルはよく絞ってから、干してください。(ぞうきん、ハンカチを~)
→ 意味:水などが染み込んだ布などを強くねじって、水分を出す。
- みんなで知恵を絞り、解決方法を考えた。(アイデア、頭、声を~)
→ 意味:「知恵を絞る」とは、「あれこれ一生懸命考え、最善の方法を見出そうと努力する」。
「頭を絞る」とは、「良い意見や方法などが思いつくように、一生懸命考え抜くこと」。
「声を絞る」とは、「これ以上は出せないというほどの声を無理に出す」。
- テーマを一つに絞って、レポートを書く。(焦点、的、人数、条件を~)
→ 意味:範囲を狭める。整理して、取り上げる範囲をごく小さく限定する。
- 染みる
- 靴がぬれて、雨水が靴下まで染みてきた。(汗、味、においが~)
→ 意味:液体や気体などがほかの物に移って、ついて、次第に深く広がる。
- 冷たい水が虫歯に染みて痛い。(煙が目に~/薬が傷に~)
→ 意味:液体や気体などの刺激を受けて、痛みを感じる。
- つらいときほど人の優しさが心に染みる。(胸に~)
→ 意味:心にしみじみと感じる。
- 迫る
- 結婚式が三日後に迫っている。(試験、選挙、締め切り、危険が~)
→ 意味:時期や期限が近づく。
- 次回、この番組ではハワイの魅力に迫ります。(なぞ、素顔、問題に~)
→ 意味:~を詳しく調べて、さらにそれを聞き手/読み手に伝える。
- 彼は彼女に結婚を迫られ、困ってしまった。(対応、選択、決断を~)
→ 意味:相手にこちらの考えを聞き入れるように、積極的に求める/強いる。
- 注ぐ
- 関東平野を流れ、東京湾に注ぐ荒川。(川が海に~)
→ 意味:流れ入る。流れ込む。
- カップにお湯を注ぐだけでスープができる。(酒、スープ、お茶を~)
→ 意味:水などを上からかける。
- 彼はこの十年間、研究に全力を注いできた。(力、愛情、エネルギーを~)
→ 意味:目的のために、持っている力をすべて出し切って行動する。
- 備える
- 地震に備えて、水を買っておく。(事故、火災、攻撃、トラブルに~)
→ 意味:攻撃や非常事態に立ち向かえる用意をする。
- 最近の携帯電話は、多くの機能を備えている。(性能、設備、施設を~)
→ 意味:必要な時にいつでも使えるように、前もって整えておく。
- 就職前に、基本的な経済の知識を備えておく。(魅力、技術、実力を~)
→ 意味:必要なものを、どこも足りないところがないように持っている。
- つかむ
- 警官は泥棒の腕をつかんで、放さなかった。(髪、ボール、ロープを~)
→ 意味:手でしっかり握り持って、離すまいとする。
- 苦労の末、彼はやっと幸せをつかんだ。(チャンス、成功、情報、夢を~)
→ 意味:手に入れる。
- 文章を読んで、要点をつかむ。(コツ、ポイント、特徴、イメージを~)
→ 意味:物事の要点などを確実に把握する。
- 彼の歌声は一瞬で、客の心をつかんだ。(気持ち、ファン、読者を~)
→ 意味:非常に好ましい印象を持ってもらう。気に入られる。興味を持ってもらう。惹きつける。
- つぶす
- イチゴをつぶして、ジュースを作った。(虫、缶、ジャガイモを~)
→ 意味:力を加えて、元の形を崩す。
- 父は無理な経営を続け、とうとう店をつぶしてしまった。(会社を~)
→ 意味:会社などのビジネスを続けていくことができない状態にする。
- 子供の可能性をつぶしてはいけない。(夢、チャンス、才能、計画を~)
→ 意味:だめにする。本来の働きができないようにする。
- 友達を待つ間、本を読んで時間をつぶした。(時間、暇、休みを~)
→ 意味:空いている時間をほかのことをして過ごす。
- 積む
- 書類が山のように積んである。(箱、野菜、木材を~)
→ 意味:置いてある物の上に、さらに物を置く。
- トラックに引っ越しの荷物を積んだ。(ものを車、船、バイク、自転車に~)
→ 意味:乗り物などに、荷物を載せる。
- さまざまな体験を積んで人は成長する。(経験、練習、トレーニングを~)
→ 意味:何度も物事を繰り返して、精神や技術を高める。
- 解く.溶く
- 引っ越しの荷物を解いて、片付ける。(包み、縄、ひも、包帯、帯を~)
→ 意味:結んだり、縛ったりしてあるものを、緩めて分け離す。ほどく。
- この数学の問題は、大学生でも解けないだろう。(なぞ、パズルを~)
→ 意味:筋道を辿って、解答を出す。
- 事情を説明して、彼女の誤解を解いた。(緊張、疑い、警戒を~)
→ 意味:心のわだかまりや緊張状態をほぐす。塞がっていた気持ちをすっきりさせる。
- 小麦粉を水と卵で溶いて、ケーキを作る。(スープ、みそ、絵の具を~)
→ 意味:液体に他の固形物や粉末を混ぜたり、分離しているものを混ぜて、均質な液状にする。
- 捕らえる
- 犯人は逃げようとしたが、すぐに警察官に捕らえられた。(魚、小鳥を~)
→ 意味:逃げようとする人や生き物を取り押さえる。物理的に捕まえる。
- 【心をとらえる】この小説は、今も昔も多くの若者の心をとらえている。
→ 意味:強く関心を引く。自分に引き付けて影響を与える。
- 彼のかく人物画は、よく特徴をとらえている。(変化、状況、意味を~)
→ 意味:物事の本質.内容などを理解して自分のものとする。把握する。
- 失敗は成功するためのチャンスと捉えることもできる。
→ 意味:解釈する。
- 握る
- 子供は母親の手をしっかり握った。(手首、ロープ、小石を~)
→ 意味:物を手のひらや指で包み込むようにして、しっかりと持つ。
- 彼女はハンドルを握ると、性格が変わる。(マイク、ペン、包丁を~)
→ 意味:手のひらを、中に物を入れたような形にする。
- 我が家は母親が財布を握っている。(権力、力、事件のかぎを~)
→ 意味:「財布を握る」とは、「家計のやりくりについて、主導権を取る」。
「権力を握る」とは、「ある組織や団体などのトップに立って、権力を持つ」こと。
「かぎを握る」とは、「物事の最も重要な手掛かりを持っている」こと。
- 彼に弱みを握られているので、強く言えない。(秘密、弱点を~)
→ 意味:相手が人に知られては困るようなことを知って、それを利用して脅したりなどして、自分の思うように動かそうとする。
- にらむ
- 怒られた子供は、母親の顔をじっとにらんでいた。(こっち、[人]を~)
→ 意味:鋭い目つきで見る。
- 彼は真剣な顔でデータをにらんでいる。(試験問題、書類、鏡を~)
→ 意味:精神を集中させ、視線を動かさずに見つめる。
- 警察は彼を犯人とにらんでいる。
→ 意味:見当をつける。
- 跳ねる/はねる
- 網の中でたくさんの魚が跳ねている。(ウサギ、ボールが~)
→ 意味:勢いよくとび上がる。
- 車が横を通ったときに、スカートに泥が跳ねた。(油、水が~)
→ 意味:液体などが弾けて、飛び散る。
- 髪の毛がはねているけど、寝坊したの? (ひげが~)
→ 意味:反り上がる。
- 【はねられる】友人がタクシーにはねられて、入院した。([人、動物]が、車、バイクに~)
→ 意味:車などがぶつかってきて、飛ばされる。
- はまる
- ボタンが大きすぎて、なかなかはまらない。(指輪、ふた、ねじが~)
→ 意味:穴などの部分にぴったりと入る。うまく入って、おさまる。
- 急いでいるのに、バスが渋滞にはまってしまった。(わな、深みに~)
→ 意味:「渋滞にはまる」とは「渋滞に巻き込まれて、身動きが取れない状態になること」。
「わなにはまる」とは「相手に騙されること」。
「深みにはまる」とは「容易には抜け出せないまずい状態になってしまったこと」。
- 兄はゲームにはまっていて、夜も寝ずにやっている。(映画に~)
→ 意味:あることに心を奪われ、そこから抜け出せなくなる。
- 型にはまらず、自由な発想で考えてください。(枠、パターンに~)
→ 意味:決まりきった形式や方式通りになり、個性や独創性がないこと。
- 膨らむ
- 風船が大きく膨らんだ。(財布、おなか、ポケットが~)
→ 意味:物が内側からの力で、丸みをもって大きくなる。膨れる。
- A選手の今後の活躍に期待が膨らむ。(イメージ、想像、夢が~)
→ 意味:「期待が膨らむ」「夢が膨らむ」とは、「期待や夢に満ち溢れる」。
- 借金がどんどん膨らんでしまって、返せない。(予算、赤字が~)
- ふさがる
- 台風で気が倒れて、道がふさがっている。(通路、入り口、血管が~)
→ 意味:何かに占められて、そこを行き来できない状態になる。
- 一週間たって、やっと傷がふさがった。(穴、隙間が~)
→ 意味:開いていたものが閉じた状態になる。
「傷がふさがる」とは、「傷が治り、離れていた皮膚や筋肉などが付着する」こと。
- 荷物で手がふさがっていて、ドアが開けられない。(部屋、席、予定が~)
→ 意味:「手がふさがる」とは「両手がふさがる」つまり、「両手で荷物を持っている状態」。
「部屋がふさがっている」とは、「部屋は他の人に占められているため、部屋に空きがない。」
「席がふさがる」とは「満席になる」。
- ぶつかる
- トラックとバスがぶつかった。/荷物が人にぶつかってしまった。
→ 意味:衝突する。
- この道をまっすぐ行くと、大通りにぶつかる。(広い道、T字路に~)
→ 意味:出る。
- 試験日と卒業式がぶつかってしまった。(予定、日程、スケジュールが~)
→ 意味:物事や日程などが重なる。
- 壁にぶつかって、研究が進まない。(困難、疑問、問題に~)
→ 意味:「壁/困難/問題にぶつかる」とは、「仕事や考えなどが行き詰って、それ以上進展できないような困難に直面する」こと。
- 上司と意見がぶつかって、会社を辞めた。([人]と意見が~、[人]と~)
→ 意味:考えなどが食い違って対立する。
- 振る
- 犬はうれしいとき、しっぽを振る。(手、首、瓶、旗を~)
→ 意味:体の一部、あるいは物の一方の端を持って、上下.左右.前後に何度も繰り返すようにして動かす。
- 野菜が煮えたら、器に入れ、最後にごまを振る。(塩、こしょうを~)
→ 意味:勢いを付けて、振りまく。
- 彼女に告白したら、振られてしまった。([人]を~)
→ 意味:相手の求めを退ける。はねつけて、相手にしない。
- 名簿の名前に、ふりがなを振る。(番号、読みがなを~)
→ 意味:文字の脇に、記号.読み仮名などをつける。
- 触れる
- 作品に手を触れないでください。/前に立っている人の髪が顔に触れる。
→ 意味:ある物が、ほかの物に、瞬間的に、または軽くくっつく、触る。
- この金属は空気に触れると、黒くなる。(光、熱に~)
→ 意味:何かに晒される。
- 海外旅行は、外国の文化に触れるいい機会だ。(芸術、魅力、優しさに~)
→ 意味:ある物事や機会に出会う。
- 彼女と話すときは、年齢には触れないほうがいい。(話題、問題に~)
→ 意味:あることを話題にする。言及する。
- 日本では二十歳以下の者の喫煙は、法律に触れる。(法、規則に~)
→ 意味:規則.法律などに反する。抵触する。
- 貴重品は人目に触れないところに置くべきだ。(目、耳に~)
→ 意味:ちょっと見たり聞いたりする。
- 招く
- 結婚式に大学時代の友人を招いた。(食事、パーティー、式、家に~)
→ 意味:招待する。
- 説明が不十分で、誤解を招いてしまった。(危険、自己、混乱を~)
→ 意味:好ましくない状態を引き起こす。
「誤解を招く」とは、「自分の言動で相手が間違った解釈をしてしまう。/勘違いさせてしまい、相手がよくわからなくなってしまったり、意味をはき違えて解釈してしまったりする」。
- 寄せる
- 車を右に寄せて止める。(端、片側、中央、一か所に~)
→ 意味:ある物を別の物に近づける。「中央に/一か所に寄せる」は「中央/一か所に集める」。
- 番組に対するご意見、ご感想をお寄せください。(便り、情報、苦情を~)
→ 意味:意見や情報などを提供する。送り届ける。
- この現象に多くの学者が関心を寄せている。(期待、思い、信頼を~)
→ 意味:愛情.興味.厚意などの気持ちを抱く。思いをかける。