エンルムの春風-北海道・襟裳岬
NHK報道番組班編『NHK新日本紀行第一集 美しさ山河』より
えりもへいくには、いつが一番良いだろうかとよく聞かれるが、 襟裳 の本当の 姿 を見るには冬、美しさを見るには春に行くことをお勧めする。
- 襟裳町位于日本北海道日高支厅东南部,临太平洋,位于日高山脉的最南端 襟裳岬是北海道东部一块伸向太平洋的海岬,被称为北海道的背脊的日高山脉,长达 150 公里,向南穿过中央部,它的尖端形成长度为 60 米以上的海蚀崖。
えりもの冬は、もちろん観光客など一人もいないし、海も空もどんよりどした 鉛 色をしていて、ちっともきれいではない。しかし、そこには 飾り気 のない、襟裳 岬 の姿があるし、また長い冬をじっと耐え抜く人々の生活がある。もっとも、海辺で遊ぶ白鳥がみられるし、何年かに一度は海水の温度が 急激 に下がって、地元の人がザイどいう現象、海水が 凍り かけて、何キロにもわたってベターッとする 珍 しい現象を見ることができるかもしれない。だが、おおかたは、灰色一色の世界がひと冬中続く。
- どんより : 阴沉, 浑浊,不明亮
- 飾り気 : 好装饰,爱打扮;爱做作
- おおかた : 概况、事物的梗概 、大半、大约、大致。
春は一番美しいというのには、わけがある。それは、襟裳岬が北海道に春が する通り道にあたっているからである。春といっても、三月下旬から五月にかけての長い季節で、この 間 、春になるための自然界のさまざまな 儀式 が行なわれる。
- さまざま: 各种各样;形形色色
北海道の春はまず、雪解けから始まる。北海道の詩人、 更科源蔵 さんの著書に、雪解けの季節の美しい表現がある。
- 更科源蔵(1904-1985),日本诗人、阿伊努文化研究家
「南方から移動して来た人々は、水が凍ると氷になると思っているが、長い間氷雪の国を故郷にした 部落 の人たちは、氷が解ければ水になるのだと理解している。それはすべてが白く凍てはて、死と背中合わせにいた冬から解放され、生命のが雪解け水とともに、春の光の中によみがえつだ観喜の表現でもある。」(『アイヌの四季』)
- 凍る: <自五>冻。冻结。结冰。
- 解け:<他五> 解开(绳结等);梳理头发;换下衣服,换成平日的装扮;解除,罢免;缓和气氛;得出答案。
- 背中合わせ: 背对背,背靠背。 关系不好,不和。
- よみがえる: <自五> 复活,苏醒。 恢复,失而复得。
表現文型
① もっとも: 可是。话虽如此,但是。
接续词「もっとも」,表示两句子之间的转折关系,即后句对前句加以部分修正或附加条件。要注意,副词「もっとも」是“最”的含义,与这里续续词在语义与接续上都有较大不同。
- 少々特有のにおいがする。もっとも、これも春の香りの仲間でもある。/ 稍微有点特殊的味道,不过,那也是春天的一种气息。
- 宿題は今週中に出してください。もっとも、早くできた人はいま出しても構いません。/请在本周把作业交上,不过早做完的同学也可以现在交。
- あしたは友達と遠足に行くつもりだ。もっとも、もし雨が降れば中止するが。/打算明天和朋友一起去远足,不过,如果下雨就不去了。
- このことでは私に責任がある。もっとも、相手にも落度がある。
- 息子は毎晩塾に通っています。もっとも、日曜日は休みます。
- この町はいつも静かです。もっとも、祝日の時など、賑やかな時もある。
- 毎朝太極拳をやっています。もっとも、病気の時、やらない日もあります。
- みんなこのデザインが好きです。もっとも、好きでない人もいますが。
② 動詞連用形+抜く:接在动词连用形之后构成复合动词,表示一种状态持续到最后。
- しかし、そこには飾り気のない、襟裳岬の姿があるし、また長い冬をじっと耐え抜く人々の生活がある。/ 但是,那里既有朴实无华的襟裳海角的景色,还有一直经受长长严冬的人们的生活。
- 私は戦い抜く 決意 である。/ 我决心战斗到底
- これはみんなで考え抜いて出した結論です。 / 这是大家反复思考得出的结论。
- 大変な仕事でも、やり抜く自信があります。/虽然工作很难,但我有自信做到最后。
- 彼はあきらめずにゴールまで走り抜いた。/ 他没有放弃,一直跑到了终点。
另外,常用的还有「生き抜く」「勝ち抜く」「困り抜く」「知り抜く」「出し抜く」「粘り抜く」「走り抜く」「守り抜く」
③ かけて
「かける」接在动词变化形之后,构成复合动词,表示动作以及状态刚刚开始、就要进行和还未完成。
- 海水が凍りかけて、何キロにもわたってベターッとする珍しい現象を見ることができるかもしれない。 / 也许能够看到海水刚刚冻结,好几公里的海面结冰的奇异现象。
- 彼女と会ったときには日も暮れかけていた。/和她见面的时候,天刚刚黑下来了。
- 外出のため立ちかけたら、お客さんがやってきた。/ 想要外出,刚一站起来,就来了客人。
- 彼女は言いかけてふと口をつぐんだ。/她刚要说话,忽然又不说了。
- ご飯を食べかけたところで彼は用事で帰ってしまった。/刚开始吃饭他就因为有事回去了。
- いま私はその本を読みかけたところです。/我现在刚开始看那本书。
④形/形动/名+の:接在用言或助动词后,将之名词化。
准体助词「の」前接动词、助动词、形容词い形和形容动词な形,表示将前边的词或小句名词化,使之可以充当主语,宾语等成分。在语句上,「の」可以替代上下文所提到的事物或人。另外, 准体助词「の」 还可以直接在名词后直接充当名词使用。
- 春が一番美しいというのには、わけがある。/说春天最美,是有其原因的。
- もちろん安いのがいいですよ。/当然是便宜的最好啦。
- もっときれいなのををください。/请给我漂亮一点的。
- 昨日の新聞が読みましたが、今日のはまだ読んでいない。/昨天的报纸我看了,但今天的还没看。
「の」主要用于指代具体事物,不用于指代抽象事物。用于替代人的时候有不礼貌之嫌。
⑤はてる
接在动词变化形之后,构成复合动词,表示其程度到达极点。
- それはすべてが白く凍てはて、死と背中合わせにいた冬から解放され、生命のが雪解け水とともに、春の光の中によみがえつだ観喜の表現でもある。/ 那也是一种喜悦的表达方式,那是从白白一片冰天雪地,与死亡互为表里的冬天解放出来,朝气蓬勃的生命与雪水在春天的阳光里复苏的一种欢喜。
- 彼はお金がなくて、困りはてていた。/他因为没有钱而一筹莫展。
- 連日の残業で疲れ果てた。/ 因为好几天连续加班从而疲惫不堪。
- すっかり忘れ果てている。/忘得一干二净
- 田圃は荒れ果てて、見る影もない。/稻田一片荒芜,不见踪影。
- 彼の変わり果てた姿に驚いた。/他面目皆非的样子令人吃惊。